Feel Okinawa No.11
2006年 05月 19日
街に出てメインストリートである国際通りや市場をそぞろ歩く。最初は右も左も分らなくても、しばらく歩き回るうちに方向感覚がついてきて、それと同時に街の空気にも馴染んでゆく気がする。活気のある市場や独特の屋根瓦の建物が並ぶ路地裏を歩き、沖縄料理をお腹いっぱい食べて初日は終わった。
翌日向かった北部へのドライブでは、いくつもの基地を通り過ぎた。ステーキハウスやハンバーガーショップに、英語の看板が並ぶ道。アメリカという国を強く感じた。そんな中にも、どこでもない沖縄そのものという空気が漂い、ああ、これなんだ、沖縄ってと思う。やっぱり、街は自分で見て、歩いて、空気を吸わないと分らない。
いつもヘトヘトになるまで歩きまわってしまう私の旅。今回はゆっくりのんびり過ごそうと決めた私へのプレゼントか、連日降り続いた雨。おかげで歩いて疲れきることなく、のんびりした時間が流れた。これは、沖縄の空気もあるのかもしれない。
夜中に目が覚めるほどの光を放った稲妻も、東京では見ることができない巨大パノラマで壮観だった。雨に濡れ、より一層濃くなった緑のやんばるも、私の心を溶かしてくれた。
空港でも飛行機でもホテルでも、目に付いたのは家族連れと妊婦さん。異国情緒と海や山の自然を楽しめる沖縄は、リラックスできる最適な場所であり、それでいて国内旅行だという安心感があるのだろう。
それでも、首里城で海の向こうを眺めながらおじいさんが言った「ニッポンはあっちか」という言葉を聞くと、沖縄が日本になったのは、私が生まれるほんのちょっと前のことなのだと思い返した。
*沖縄返還=1972年